「三単現のsって何度やっても忘れる…」「文法問題は解けるのに英作文になると書けない…」
こうした悩み、中学生の約78.6%が「文法が難しい」と感じているというデータがあります。
でも実は、文法が苦手な理由の多くは「暗記だけで終わっている」「使う練習をしていない」から。この記事では、科学的根拠に基づいた「本当に使える文法力」を身につける方法を、今日から実践できるステップで解説します。
この記事を読むと
✅ 文法が「分かる」から「使える」に変わる学習法が分かる
✅ 定期テスト+英作文・会話で役立つ実践的な力がつく
✅ 保護者が家庭でできる具体的サポート法を紹介
なぜ文法は「暗記だけ」では定着しないのか
ポイント1:文法は「知識」ではなく「スキル」
文部科学省の学習指導要領解説では、語彙や文法などの知識は、実際のコミュニケーションで活用されてこそ定着し理解が深まると明記されています。
つまり、文法ルールを覚えるだけでは「知っている状態」に過ぎず、「使える状態」にするには実践が不可欠なのです。
ポイント2:インターリーブ学習が長期定着に効く
認知心理学の研究では、同じタイプの問題ばかり連続で解くより、異なるタイプの問題を交互(インターリーブ)に解いた方が長期的な定着に効果的と分かっています。
例えば「現在完了の問題を20問連続」より「現在完了→比較級→不定詞→現在完了…」と混ぜて解く方が、知識が硬直せず応用が効くようになります。
よくある勘違い&修正法
| 勘違い | 正しいアプローチ |
|---|---|
| 「文法書を読んで理解すれば十分」 | → 理解後、問題演習とアウトプットで定着確認 |
| 「ワークブックを1単元ずつ完璧に」 | → 復習時は複数単元をシャッフルして解く |
| 「間違えたくないから書かない」 | → 間違いこそ成長の種。積極的にアウトプット |
今日からできる「文法定着ルーティン」(平日15分)
中学生の部活・宿題を考慮した、無理なく続けられるスケジュール例です。
| 時刻 | アクション | ねらい | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 06:45 | 起床後:昨日の間違えた問題を1問だけ見直し | 弱点の即座リカバリー | 3分 |
| 07:10 | 通学中:例文を音読(スマホのメモに保存しておく) | 文型の感覚インプット | 5分 |
| 19:30 | 夕食後:ワークブック2〜3問(異なる単元) | インターリーブ練習 | 7分 |
| 21:45 | 就寝前:その日の文法で英文を1つ書いてみる | アウトプット定着 | 5分 |
合計20分以内で、「理解→練習→使う」のサイクルが1日で回せます。
テスト2週間前からの逆算プラン(実践表)
| 期日 | タスク | ねらい | 完了基準 |
|---|---|---|---|
| 14日前 | 文法単元の総復習リスト作成 | 優先順位決定 | A(自信あり)B(うろ覚え)C(苦手)で分類 |
| 10日前 | B・C単元の基礎問題を解く | 穴の確認 | 間違えた問題に付箋 |
| 7日前 | 付箋問題を他の単元と混ぜて再挑戦 | インターリーブ復習 | 正答率80%以上 |
| 4日前 | 英作文5題(習った文法を使う) | アウトプット力確認 | 先生or家族にチェック依頼 |
| 1日前 | 最終確認:ミスしやすいポイント一覧を見る | ケアレスミス防止 | A4用紙1枚にまとめる |
英文法が「使える」ようになる5つのステップ
ステップ1:基礎ルールの理解:なぜそうなる?を意識すべし
まずは教科書や参考書の解説を丁寧に読み、「なぜその形になるのか」を理解します。
例)三単現の -s
→ 主語が三人称単数の時、動詞に -s をつけて「主語と動詞の関係を明示する」ため
ポイント: 公式を覚えるだけでなく、背景や意味を考えると記憶に残りやすくなります。
ステップ2:例文暗唱とパターン練習
文法ルールを理解したら、例文を音読・暗唱してその文型に慣れます。
実践例:
- 現在完了を学んだら → “I have lived here for five years.” を10回音読
- 不定詞を学んだら → “My dream is to be a teacher.” を書いて覚える
その後、ワークブックで問題演習を行い、理解が定着しているか確認。
重要: 間違えた問題は解説を必ず読む。「なぜ間違えたか」を理解することで同じミスを防げます。
ステップ3:アウトプット練習(使って初めて身につく)
文法事項を覚えたら、実際に自分で英文を作ることが最も効果的です。
具体例:
- 比較級を習ったら → “English is easier than math for me.” と書いてみる
- 受動態を習ったら → “This book was written by my teacher.” と作文
間違えてもOK。使ってみて初めて分かる疑問点も多いので、その都度振り返ることで理解が深まります。
ステップ4:インターリーブ復習(異なる文法を混ぜて練習)
文法事項を定着させるには、復習時に異なる文法項目を混ぜて解くと効果的です。
実践例:
- 月曜:現在完了の問題
- 火曜:比較級の問題
- 水曜:現在完了の問題(再挑戦)
- 木曜:不定詞の問題
- 金曜:現在完了+比較級+不定詞を混ぜた問題
メリット: 試験でも初見の問題に対応できる応用力がつきます。
ステップ5:質問とフィードバック(分からないをそのままにしない)
自分だけでは理解が難しい文法事項は、遠慮せず先生に質問して解決しましょう。
質問のコツ:
- 「現在完了が分かりません」ではなく → 「have + 過去分詞の『継続』と『完了』の使い分けが分かりません」と具体的に
- 間違えた問題を持参して「なぜこの選択肢が正解なのか」を確認
また、作文した英文をチェックしてもらうことで、自分では気づかないミスに気づけます。
保護者の方へ(声かけ&環境づくり)
声かけ例:「できた量」ではなく「続いた工夫」をほめる
| ❌ 避けたい声かけ | ⭕ 効果的な声かけ |
|---|---|
| 「まだそれしか終わってないの?」 | 「昨日より5分早く始められたね」 |
| 「文法、完璧に覚えた?」 | 「間違えた問題、自分で調べて解決できたね」 |
| 「テスト何点取れる?」 | 「今日は不定詞の例文を3つ作れたんだね」 |
ポイント: 結果ではなくプロセス(努力や工夫)をほめることで、子どもは「続ける力」を獲得します。
学習環境:集中を妨げない3つの工夫
- 通知オフ設定
→ スマホは別室に置くか、勉強中は「集中モード」に設定 - タイムタイマー活用
→ 「15分だけ集中」と時間を区切ることで取り組みやすくなる - 見える化シート
→ カレンダーに「文法練習した日」をシールで記録。続けた日数が可視化されることでモチベーション維持
ルール:就寝前は「復習だけ」
寝る直前に新しい文法を勉強すると、脳が興奮して睡眠の質が下がる可能性があります。
おすすめルーティン:
- 就寝30分前:その日の間違えた問題を見直す
- 就寝直前:例文を1つだけ音読して終了
→ 睡眠中に記憶が整理され、翌朝の定着率が上がります。
よくある失敗⇒置き換えアイデア
| よくある失敗 | 改善策 |
|---|---|
| ❌ 文法書を読んで満足 | ⭕ 読んだ後、問題を3問解く+例文を1つ書く |
| ❌ ワークブックを1単元ずつ完璧に | ⭕ 複数単元をシャッフルして復習 |
| ❌ ノートを綺麗に書くことに時間をかける | ⭕ 問題を解く時間と英文を書く時間を優先 |
| ❌ 間違いを隠す・やり直さない | ⭕ 間違いノートを作り、週1回見直す習慣 |
参考文献・出典
- ベネッセ教育総合研究所「中学生の英語学習に関する実態調査」(benesse.jp)
- 文部科学省「中学校学習指導要領解説 外国語編」(mext.go.jp)
- OECD「認知心理学と学習科学の知見」(oecd.org)

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